ブログ布留川のほとりから

国宝「日本書紀」は11月27日までです!

2017年11月22日 (水)

天理参考館特別展「天理図書館 古典の至宝 ―新善本叢書刊行記念―」は11月27日(月)で幕を閉じます。会期中、たくさんの方々が熱心に見学に来られ、天理図書館、天理参考館両職員にとりましても、まさしく至宝の時間となりました。
閉幕が近づくにつれ名残惜しさとともに、まだご覧いただいていない方に足を運んでいただきたいと思います。

 

私自身といたしましても、会期を通じて知らざる知識を得ることができ、学ぶ楽しさを思い出すことができました。
そして、もう一つ是非お伝えしておきたいことがあります。

 

「奈良絵本」は“奈良の絵本”ではなく、室町時代中期から江戸時代前期頃までに作られた絵入り彩色本の“総称”

 

ということです。
「特別展を見学して『奈良絵本』という言葉を知った」とのご感想を多々いただきました。「奈良絵本」は、御伽草子(おとぎぞうし)とよばれる公家や武士の物語、寺社の由来や中国・インドの話、ねずみや虫が主人公の話などで、嫁入り本として扱われていたのもあるそうです。“奈良の絵本”と受け取りますと、狭い話のイメージになるかもしれませんが、天竺の話から虫の話まで、幅広く多様な室町時代の話なのです。

 

残り数日となりましたが、「奈良絵本」それぞれの話の意外性やおもしろさ、当時のままの彩色をぜひ直接ご覧いただければと思います。『新善本叢書 第4期奈良絵本』(八木書店)が刊行されましたら、今度は手にとってじっくり、おとぎの世界にひたりたいと思います。

総務部 N 

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