特別展・企画展

スポット展示 ウクライナのお守り人形「モタンカ」


◆期間:2023年3月11日(土)~3月27日(月)

◆会場:3階ロビー

 

この度、ご覧いただく人形は、ウクライナから来日し、現在、天理大学で勤務されているオクサーナ・コベリャンスカさんが手作りした「モタンカ(Motanka)」と呼ばれるウクライナの伝統的な人形です。

ウクライナにおいてモタンカはお守りのようなものと信じられていて、その名称は針を使わずにつくるというウクライナ語に由来します。人形の作者は針やハサミなど鋭利なものは使用せず、素材となる生地を手で裂き、全てを糸で包みながら繋いでいきます。

このような巻き人形は 7000 年以上前からウクライナの地に存在し、古代の人々は人形が持ち主を邪悪なものから守り、願いを叶えてくれると信じていました。当時の人々の信仰は多神教で、天、太陽、地、水などといった自然の力を崇拝していました。

こうした歴史的な経緯の中で生まれたモタンカは、知識や力を象徴するものとしてウクライナの人々の間で脈々と受け継がれてきました。その姿かたちはそれぞれ深い意味があります。頭部は布を丸めて糸で縛っています。これは物事の発展や動き、新しいものの誕生、エネルギーを象徴しています。また、顔が描かれないのは、持ち主を反射し、相互にエネルギーを交換するという意図があります。十字架のデザインは太陽とパワーを表しています。

モタンカには人々の様々な願いが込められています。家族の幸せ、病気の平癒、降雨の祈願など、作者は願い事を思い浮かべながら、心を込めてつくるそうです。

古来、良いことだけをもたらすために作られてきたモタンカ。ウクライナに平和な日々が一日も早く訪れることを心から願っています。

 

ページの先頭へ