特別展・企画展

スポット展示 「天理大学国際協力活動展」


 2004年12月26日に発生したインド洋大津波が20万人を超す犠牲者と数百万人の被災者を出したことはまだ多くの人の記憶に新しいところであります。しかし、その3ヶ月後の2005年3月28日に同じインド洋の東部で大地震が発生したことはあまり知られていません。大津波とこの大地震のダブルパンチによって、インド洋に浮かぶ島、ニアス島(インドネシア共和国北スマトラ州に属し、人口約70万人、面積は兵庫県の淡路島の約8倍)は壊滅的な被害を蒙りました。
 地震の約4か月後に訪れた時はまだ倒壊した家屋の後始末も終わっておらず、災害の爪あとがいたるところに見られました。同じ津波被災地のアチェ州が国際的な関心を集めて復興への道を歩み始めたのと対照的に、ニアスは国際的関心だけでなくインドネシアの国内でも関心が薄く、いわば忘れられた被災地といった印象でした。
 全島でほとんどの小学校の校舎が倒壊している実情をみて、その再建に協力したいとの思いから、2005年10月に天理大学に「ニアス島等復興支援委員会」を立ち上げ、教職員、学生、卒業生が一丸となった支援活動を開始しました。学生が中心になって寒風が吹きすさぶ中、あるいは炎天下で10回にわたって街頭募金活動を行い、多くの市民の方々から暖かい真心を頂戴しました。多くの教職員、卒業生からも寄付金が寄せられました。天理教海外部の国際たすけあいネットからも多額の支援金をいただきました。
 こうして必要な資金を集める傍ら、インドネシアに作った現地委員会の協力の下で公立モアウォ小学校の校舎建築の諸準備を進め、2006年5月初めに工事に着工、8月末に無事完成しました。
 8月末にモアウォ小学校で挙行した竣工・引き渡し式典には現地サイドではニアス県知事をはじめ多数の地域の人々が参列、天理大学側では副学長をはじめとして教職員、学生20数名が参加。学生たちは校舎の壁のペンキ塗りや校庭の花壇造りなどに汗を流して工事の仕上げを行うとともに、学校周辺の村の家々に滞在して子供たちや村の人々との交流を深めました。このような交流は昨年2007年にも行い、今年の夏にも学生と一緒にニアスに行く計画を立てています。
 このような国際協力活動は天理大学にとって初めての試みでした。経験のない者たちが集まり、いろいろな方からのアドバイスとご協力を受けながら手探りで作業を進めていきました。2006年11月には大学内で「災害被災地復興支援活動と大学教育」をテーマにした国際シンポジウムを開催し活動の総括を行いました。これらの活動が一段落した今、私たちのささやかな活動の内容を多くの方に知ってもらい、その後も世界の各地で続く自然災害を被られた人たちとの連帯をどのように結んで行けばいいのかという課題について、共に考える機会にしたいと、この写真展を企画致しました。ご覧頂ければ幸いです。

天理大学(ニアス島等復興支援委員会)

 ◆会期:2008(平成20)年1月23日(水)~2月4日(月)
 ◆会場:2階ホール
 ◆共催:天理大学

 

 

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