ブログ布留川のほとりから

新品レアものです!-菅沼式乗車券日附器-

2023年05月08日 (月)

開催中の第92回企画展「近鉄電車展Ⅱ-大和ゆかりの路線100年-」関連イベントとして鉄道模型走行実演と出札・入鋏体験を行っています。そこで登場するのが、この曲線を描く可愛いボディ(でも、重量級)の菅沼式乗車券日附器です。

これは何をする器械かといいますと…

 

みなさま、硬券切符(以下、硬券)をご存知でしょうか。40代で「見たことがあったかなぁ」、50代以上なら「改札でハサミを入れてもらった」記憶があるかもしれません。現在は柔らかい磁気切符がほとんどですが、硬券は明治の鉄道創業期から使用されてきた伝統的な乗車券です。その厚紙でできた硬券に、発売日の日付を刻印するのがこの器械「ダッチングマシン」です。

何が「レア」か?

これは昭和20年代製ですが、なんと未使用の「新品」なんです!

なにしろ、一日に利用する大勢の乗降客に一枚ずつ印字していく器械です。何日も、何年も… 使い込んでインクと油で汚れたものがほとんどですが、これは使用感がなくピカピカです。「新品レア」の理由はここにあります。 昭和50年代より全国で自動券売機・自動改札機の導入が進み、硬券は姿を消していきますが、今でも地方私鉄や、記念切符としては発行されています。製造元の菅沼日附器(菅沼タイプライター)はダッチングマシン製作から撤退し、その技術は天虎工業に引き継がれましたが、現在ダッチングマシンは製造されていません。メンテナンス・修理しながら、古いものが使い続けられています。

 

当日は、実際に使われていた硬券と同じ厚紙の切符を手にして、このレアマシンで日付を印字していただきます。さらに、その硬券に昔の駅員さんのようにハサミを入れる体験もできます。ハサミも何種類かありますので、好みの型(M型や台形、三角形など)をお試しください!

多数のご参加をお待ちいたしております。 今後の「鉄道模型走行実演と出札・入鋏体験」の日程

 5月12日(金)・5月28日(日)・6月3日(土)

 いずれも午前10時30分~11時/午後1時30分~2時

 会場:天理参考館 3階ロビー(要入館券)

菅沼式乗車券日付器 昭和27(1952)年製

日付を印字する参加者 2023年4月15日

 

第92回企画展ブログ11】

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