★第1回★
2023年4月3日(月)午後1時15分~1時35分
「関西でブレイクした日本版ドールハウス-御殿飾り雛人形」 幡鎌 真理 学芸員
明治から大正にかけて、京都・大阪を中心とする関西で愛された御殿飾り雛人形。組み立て式の御殿に雛人形を飾るこの様式は昭和40年代に忽然と姿を消します。その御殿の構造や雛人形の配置についてご紹介します。
★第2回★
2023年4月10日(月)午後1時15分~1時35分
「富雄丸山古墳の副葬品」 藤原 郁代 学芸員
2023年1月25日、奈良市にある富雄丸山古墳からまったく類例のない「盾形の鏡」と長大な「蛇行剣」が出土しました。この重要な遺物が出土したのは墳丘裾に作られた埋葬施設。では墳丘頂部にあった埋葬施設からはどんなにすごい遺物が出土しているのでしょう?それが天理参考館が常設展示している三角縁神獣鏡なのです。
★第3回★
2023年4月17日(月)午後1時15分~1時35分
「メキシコ・グアテマラの染色技術」 梅谷 昭範 学芸員
メキシコ・グアテマラの織物には多彩な色が使われています。そして、これらの色素を生み出す天然染料には意外な原料が使われている場合があります。今回は染色技術の観点から様々な織物とその原料を紹介します。
★第4回★
2023年4月24日(月)午後1時15分~1時35分
「大和ゆかりの近鉄路線」 乾 誠二 学芸員
今年は近鉄橿原線全通や大阪阿部野橋駅開業100年を迎えます。また奈良電気鉄道(現京都線)の合併60年を数えます。それらの路線の生い立ちをたどり、日本最大の私鉄となった近鉄について紹介いたします。
★第5回★
2023年5月1日(月)午後1時15分~1時35分
「中国山東省の小さな凧」 中尾 徳仁 学芸員
中国山東省にある濰坊(いぼう)市は、凧(たこ)の制作地として世界的に有名です。今回は当館所蔵資料の中から、濰坊市で作られた小さな「ミニ凧」を紹介します。
★第6回★
2023年5月8日(月)午後1時15分~1時35分
「本当は小さかった鯉幟」 幡鎌 真理 学芸員
江戸時代、庶民の贅沢を嫌う幕府が大きく豪華になった五月人形を禁じたため、次第に小型化して現在のような姿になりました。その反対にどんどん巨大化したのが鯉幟です。そもそも鯉幟の原型はどのようなものだったのかをご紹介します。
★第7回★
2023年5月15日(月)午後1時15分~1時35分
「稲の母に捧げる人形チリー」 荒田 恵 学芸員
東南アジアでは、古来、稲作が営まれてきました。そして、稲米(とうまい)は主食であるだけでなく、社会的・文化的な意味を持っています。稲の母に捧げる人形チリーを紹介しながら、稲魂(いなだま)信仰やバリの稲作についてお話しします。
★第8回★
2023年5月22日(月)午後1時15分~1時35分
「伏羲・女媧の絹絵を楽しむ」 江 介也 学芸員
中国大陸の神話・伝説を題材にした図像表現のうち、「巻き巻き尻尾」で表現された神様「伏羲」と「女媧」について色々考えてみましょう。
★第9回★
2023年5月29日(月)午後1時15分~1時35分
「先住民のモノからみる台湾の歴史」 早坂 文吉 学芸員
さまざまな時代に台湾に渡ってきた人々によって台湾社会が形成されてきました。今回は台湾に元々暮らしてきた先住民のモノに注目してその歴史を見ていきたいと思います。
★第10回★
2023年6月5日(月)午後1時15分~1時35分
「懐かしのガソリンカー」 乾 誠二 学芸員
近鉄電車展Ⅱ開催にあたり、かつて平端と法隆寺の間を走ったガソリンカーの実物大模型を製作、設置しています(6月5日まで)。そのガソリンカーと、旧天理軽便鉄道・大軌法隆寺線についてお話いたします。
★第11回★
2023年6月12日(月)午後1時15分~1時35分
「羊の角で作られた燈火具「羊角燈」」 中尾 徳仁 学芸員
プラスチックなどがあまり普及していなかった頃、中国大陸では羊の角を加工して作った燈火具が使用されました。しかし現在、その製作技術は失われてしまい、再現することはできません。今回は当館が所蔵する、非常に珍しい「羊角燈」をご覧頂きます。
★第12回★
2023年6月19日(月)午後1時15分~1時35分
「布留遺跡と杣之内古墳群の埴輪」 藤原 郁代 学芸員
天理参考館のあたりは、古墳時代に物部氏が暮らした布留遺跡です。布留遺跡からはとても変わった円筒埴輪が出土しています。何がどのように変わっているのか、近くから出土した円筒埴輪と比べてお話します。
★第13回★
2023年6月26日(月)午後1時15分~1時35分
「チャンスンとパガジ面にみる朝鮮半島の伝統文化」 梅谷 昭範 学芸員
かつては朝鮮半島の村々に立てられていたチャンスンと、朝鮮王朝時代に宮廷行事の演劇に用いられていたパガジ面。これらの資料の造形や思想的背景を通じて、朝鮮半島の伝統文化を紹介します。
★第14回★
2023年7月3日(月)午後1時15分~1時35分
「まもなくインドの企画展! ヒンドゥー社会の原風景を知る」 早坂 文吉 学芸員
7月12日より第93回企画展「インドのヒンドゥー世界」を開催します。企画展をより楽しんでいただけるよう、まずは常設展の展示資料からインドの文化、人々のくらしを紹介します。
★第15回★
2023年7月10日(月)午後1時15分~1時35分
「信仰を纏うバリの伝統衣装」 荒田 恵 学芸員
儀礼が生活の中心となっているバリの伝統衣装には、バリ・ヒンドゥーの考え方が表されているものがあります。カンベンやサプットと呼ばれる腰巻を紹介しながら、バリの伝統衣装についてお話しします。
★第16回★
2023年7月24日(月)午後1時15分~1時35分
「トルファンのアイマスク」 江 介也 学芸員
中央アジアに位置するトルファン地域の独特な地理的環境や風土がよく反映された考古資料、葬礼に用いられた金属製アイマスクについてお話しします。
★第17回★
2023年9月4日(月)午後1時15分~1時35分
「トリックスター、クリシュナ神」 早坂 文吉 学芸員 ※会場:3階企画展示室
企画展「インドのヒンドゥー世界」で出品しておりますクリシュナ神に関する資料を解説します。クリシュナ神は幼いころから怪力で魔物を退治する英雄神である一方、大のイタズラ好きとしても知られ、インドで最も人気がある神様の一柱といわれています。造形とともに様々な伝説もご紹介します。
★第18回★
2023年9月11日(月)午後1時15分~1時35分
「日本の装身具」 藤原 郁代 学芸員
日本列島では、縄文時代にはすでに髪飾り、耳飾り、首飾りなど、現代と変わらない種類の装身具が見られます。むしろ現代よりも一生懸命に装身具を身につけていたとすら言えるかもしれません。弥生時代、古墳時代にも装身具は意味を持ち続けました。ところが古代と現代の装身具には、大きな断絶がありました。その歴史をたどります。
★第19回★
2023年9月25日(月)午後1時15分~1時35分
「日本の装身具 その2」 幡鎌 真理 学芸員
「日本の装身具 その2」として、空白期間を経て近世に一気に花開いた装身具のリーダー格、髪飾りの成り立ちについてご紹介します。黒く長い髪そのものに美を求めた垂髪(すいはつ)の時代を経て、江戸時代には複雑なヘアスタイルがいくつも生まれます。支配階層であっても貴金属を身にまとう習俗が普及しなかった当時、庶民に至るまで装身具は髪飾りに集約されました。その魅力をお伝えします。