ブログ布留川のほとりから

競技道具の素材にもご注目

2020年07月15日 (水)

今回も特別展「スポーツの歴史と文化」に関するお話です。
日本の蹴鞠の鞠は鹿革2枚を合わせて作られています。また足に履く鴨靴もつま先を除いて鹿の革でできています。

 

そういえば筆者は高校時代、弓道部でしたが、弓懸け(ゆがけ)と呼ばれる弓を引くための右手につける道具も、鹿の革で作られていることを思い出しました。
鹿革は通気性に優れ、また丈夫で、適度な伸縮性を持ち合わせています。そして装着して思うのは、ごわつくことなく手にすっと馴染み、何より軽いのです。
現在、「革」といえば牛革のイメージが強いですが、日本での鹿革の利用は1300年以上の歴史があり、武具やくらしの道具にも長い間使われてきました。

 

ところで、この他にも特別展の展示品を見ていくと、キリンの毛皮が貼られた盾や、オオシカの毛皮が貼られたスキー板、アザラシの毛皮ボールなど、世界の土地ところの生活環境に即したものが材料として使われています。
常設展にも言えることですが、各地域の道具の個性を素材からもお楽しみください。

 

蹴鞠の鞠
創立90周年特別展「スポーツの歴史と文化」にて展示中

海外民族室 H 

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