ブログ布留川のほとりから

「華麗なるササン王朝―正倉院宝物の源流―」展はじまる

2017年10月04日 (水)

展示解説の様子

東京神田にあります天理ギャラリーで、9月29日(金)より「華麗なるササン王朝」展が開幕しました。

 

ササン朝は3~7世紀に今のイラン、イラクを中心にあった王朝です。周辺文化を取り入れながらイランの伝統文化を国際的なものに高めて行きました。製作された文物はシルクロードをわたり、所々で多大な影響を与えました。そして遠くは日本にももたらされているのです。

 

毎年催される正倉院展には多くの観覧者が訪れます。心奪われる雅な宝物には、異国情緒にあふれるものも少なくありません。そしてその源流を突き詰めると、ササン朝系文化に辿り着くことがしばしばです。今秋開催される正倉院展では、緑瑠璃十二曲長坏と金銅八曲長坏が出陳されます。この器形のルーツがササン朝であることは有名です。

 

本展では、当館が所蔵する鍍金銀製八曲長杯を2点展示しています。典型的なササン朝八曲長杯は日本ではこの2点くらいだと思います。この機会に王朝文化に浸っていただき、正倉院へと伝わる長い道のりに思いを馳せていただければ有り難いです。

考古美術室 T 

ページの先頭へ