ブログ布留川のほとりから

2階常設展示「庶民のくらし―日本―」コーナー 日本民家ステージ内を展示替えしました

2015年12月15日 (火)

今回は「木綿」という織物の生地素材をテーマに展示してみました。
タピストリーのように衣桁(いこう)に掛けた大きな紺色の木綿の布地は、2つ共に、天理市内で収集した夜具の木綿布団の布団皮地(ふとんがわじ)です。昭和初期頃のものかと思われます。どちらも丁寧に何枚もの当て布で、つぎはぎを施し、繕って(つくろって)あります。どんなに小さな布きれも大切にして、使い切っていた時代の証人と言えるでしょう。

また、小さいクリアケースに入れたものは、奈良県天理市で和綿(わわた)と洋綿(ようわた)を栽培されている「木綿庵」(ゆうあん)様から提供いただいた和綿です。
「コットンボール」や、種を分離した「繰り綿(くりわた)」、綿の繊維を延ばす加工をした「打ち綿」、さらにその打ち綿から、糸を紡ぐために用意する「じんき」などを並べています。植物の実としての実綿(みわた)が、織物素材として加工調整される「綿」になるまでを簡単にご覧いただけます。
綿にゆかりのある天理で、使われ、また、栽培された「綿」と「綿布」をどうぞご覧下さい。

 

日本民俗室 N 

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