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早春講座「天界へのかけはし」(全3回)



古代社会やアジア太平洋地域の民族社会では、神々の世界(異界)が実際に存在すると信じられていました。死者の霊魂の赴く先も天界や地界にあるとされた神々の世界でした。
神々や霊魂が、異界と現世を往来する際、どのような手段がとられていたのでしょうか。各地に残る魂送りの道具や行事から人びとの営みの一端を考えてみることにします。
この講座では、「霊船」や「生命の木」の力を借りて、異界に到達する思考様式の存在を紹介すると共に、民俗行事で行われる火祭りなどを通してその片鱗を見つめます。

 

◆講師:吉田裕彦(当館学芸員)
◆会場:当館 研修室
◆時間:いずれも午後1時30分~
◆受講料:入館料のみで受講できます(大人400円)
◆定員:100名(当日先着順)

チラシ

 

第1回「現世と天界を往来する霊船」

開催日:2017(平成29)年2月24日(金)

霊魂の舟 インドネシア、パプア州(ニューギニア島)

霊魂の舟 インドネシア、パプア州(ニューギニア島)

人びとは、死後、その霊魂は神々が暮らす天界に戻るとの思考様式を共有していました。そして、天界に霊魂を送り届ける役割を担った乗り物の一つに舟があったとみなされていました。水上の乗り物である舟がなぜ、霊船として天界に赴くことができたのかを考えてみたいと思います。

 

 

第2回「天界に達する生命の木」

開催日:2017(平成29)年3月3日(金)

生命の木文と人物文がある紋織布 インドネシア、スンバ島

生命の木文と人物文がある紋織布 インドネシア、スンバ島

天に向かってまっすぐに立ち上がる樹木。人びとはその姿を見てさまざまな夢を抱き、内なる心の働きに気づくことがあります。民族社会ではこの木を登っていけば、やがて神々が暮らす天界にたどり着くのでは、というようなイメージを抱いていたようです。このような樹木を「生命の木」ととらえ、その諸相を考えます。

 

 

第3回「火祭りの炎や煙と共に天界へ」

開催日:2017(平成29)年3月10日(金)

燃え上がる牛形の棺 インドネシア、バリ島

燃え上がる牛形の棺 インドネシア、バリ島

火祭りで立ち上がる炎と煙もまた、神々や霊魂を天界に送り届ける役割を担っています。大和路で行われている火祭りやインドネシア、バリ島の火葬儀礼を通して、炎や煙が霊魂を天界に届ける様相を紹介します。

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