天理参考館
TENRI SANKOKAN MUSEUM

参考館セレクション

世界の考古美術朱彩黒漆匜(しゅさいくろうるしい)

a_chi_syusai

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中国(伝湖南省長沙出土) 戦国 前4~前3世紀
長31.5cm 木胎漆器
資料番号:37-399

展示中 1-0

木を削りだして器形を作り、漆を塗って文様を描いたものです。木目は注ぎ口(流)の方向に走っています。外面には黒漆が、内面には朱漆が塗られています。内外面とも口縁沿いに黒地の文様帯を設け、朱漆で文様を描いています。朱漆には細く濃い線と太く薄い線の2種類があります。匜は、重要な儀式のときに手を洗い清めるための道具で、水を注ぐのに使いました。原形は殷周青銅器にあり、これはそれを漆器にうつしたものです。漆器は当時においても貴重品で、青銅器の何倍もの価値があったといわれています。これが出土したと伝わる長沙は、地下水位が高いため普通なら腐ってしまうものが多く残るところとして知られています。当館ではこのほかにも多くの伝長沙出土漆器を収蔵しています。