天理参考館
TENRI SANKOKAN MUSEUM

参考館セレクション

世界の考古美術木製刀装具(もくせいとうそうぐ)

a_fur_tosogu

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奈良県天理市 布留遺跡三島(里中)地区出土
古墳時代中期~後期 5~6世紀
左上長14.2cm 木・漆
資料番号:

展示中 1-0

古墳時代の武器のうち、刀身や剣身は鉄でできていますが、鞘や把の多くは木あるいは鹿角などで作られています。そうした部分は通常、腐食していますが、埋まっている条件によって、時折残っていることがあります。左上と右下の把頭(つかがしら)は白木のままですが、右上の把頭には一部に赤色の塗料が残っています。また、他の4点には黒漆が塗られています。左下の把縁(つかぶち)には黒漆に刻線が刻まれ、刻線には赤色の塗料が埋め込まれ、美しい文様をみせています。これらはいずれも実用の武器とみられ、当時の武器類が見た目に大変美しかったことが窺えます。布留遺跡は当時、ヤマト王権の武器管理をしていたと考えられている古代氏族の物部氏が居住していたところであり、これらの資料はそれを裏付ける重要な出土品です。