ブログ布留川のほとりから

朝ドラに登場!束髪簪 ~ おしゃれ話その8

2022年02月18日 (金)

現在放映中の朝の連続ドラマ小説で、ヒロインが姑から髪飾りを譲り受けるシーンがありました。大きな繊維会社の跡取りに嫁ぐヒロインは、当初は結婚を反対していた姑から、「自分が結婚するときに義母からもらった」髪飾りを渡されて結婚を認められます。それが束髪簪(そくはつかんざし)でした。学徒出陣が始まる昭和18年の設定で、姑の姑ですから、時代的には大正はじめのものでしょうか。この束髪簪が広く用いられるようになったのは、明治40年以降です。映っていたのは銀製で緑色の貴石が付いていました。姑は束髪でしたが、姑の姑はまだ日本髪を結っていたかもしれません。束髪簪は和洋兼用として日本髪にも用いました。足がやや曲線を描いているように見えたので、大正期に流行ったアール・ヌーヴォー様式の、当時としては最先端のお洒落な髪飾りかしらと想像をふくらませる一場面でした。

 

第88回企画展ブログ9】

日本民俗室 H 

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