ブログ布留川のほとりから

スポーツにおける縁起かつぎ、神頼み

2020年07月08日 (水)

現在開催中の特別展「スポーツの歴史と文化」では、「神と交わる聖なる時間」というエリアの中で、儀礼や宗教と関連するスポーツの道具を紹介しています。
ここで展示をしている北米先住民が行っていたラクロスでは、ゲーム前やゲーム中に縁起担ぎ、神頼みを行っていました。

 

ラクロスのゲーム前になると、選手たちはウサギや、ひな鳥などの動物の子どもを食べるのを控えたそうです。その理由は、ウサギは臆病な動物であること、動物の子どもは骨がもろいため、食べると自身も臆病になり、また骨を折るなどのケガをする恐れがあるからです。
さらにゲームで用いるラケットには、彼らの神話の中でチームの勝利に導いたコウモリの皮を結びつけました。
また、チームの監督役はシャーマンが務め、試合の最中でも儀礼を行い、相手を打ち負かすための祈りを捧げたといいます。

 

ところで、最先端の科学技術をふんだんに取り入れている現在のスポーツ界においても、目に見えない力を信じ、神頼み、縁起かつぎのような行為が見られますね。
例えば、プロ野球開幕前に必勝祈願の神社参拝がニュースになることもありますし、相撲の力士が勝ち続けると髭を剃らない、ゴルフ選手が勝負どころの日には決まった色のウエアを着る、などを耳にされたことがあるかもしれません。

 

勝負事には実力だけではない、何かがあるようです。

 

北米先住民のラクロスのボール、ラケット
創立90周年特別展「スポーツの歴史と文化」にて展示中

海外民族室 H 

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