ブログ布留川のほとりから

解明への鍵ー出会いー

2015年04月23日 (木)

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シュリーマン原画に話を移します。62才の時にギリシアのティリンス遺跡を発掘した時に作成した正確な遺構と遺物の図面で、報告書の原画です。私たちは、まず報告書初版本を入手しました。原画と図版を何度も見比べ、本物であると実感しました。しかし、決め手がどうしても必要です。 図面には直筆で文字が書かれています。この中にシュリーマンの文字があれば決め手になるということまではすぐに分かりました。しかし、それをどこへ誰を通して頼んだらいいのでしょうか。これまで長年公開されなかった理由が分かった気がしました。しばらく時が過ぎたある日、当館に元ベルリン日独センター研究員の桑原節子氏が資料熟覧に来られました。すがる思いでシュリーマン原画のことをお話すると、ドイツ国立博物館に親しい方がおられるので、その方に相談してみましょうということになりました。立ちはだかっていた壁が崩れた瞬間です。

【シュリーマン展ブログ10】

考古美術室 T 

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