ブログ布留川のほとりから

来日150周年(2)

2015年04月09日 (木)

20150409-01シュリーマンの来日の話は面白いので続けます。最近、クールジャパンとか外国人から見た日本の素晴らしさとか、そういう日本再発見の番組が増えてきましたが、その先駆けとも言えます。前回述べたようにシュリーマンには護衛がついています。夜間は真っ暗なので味方を確かめるために合い言葉があったと記しています。「うみ」と言えば「かわ」と答えるように。その合い言葉も夜ごと決められたようです。時代劇だけの話かと思っていましたが、本当にあったんですね。
老若男女が一緒に湯につかっているところを見てよほど衝撃を受けたのでしょう。「なんと清らかな素朴さだろう!」と驚いています。すでに来日していたオールコックの言うとおり「日本人は礼儀に関してヨーロッパ的観念を持っていないが・・・、ある民族の道徳性を他の民族のそれと比べてうんぬんすることはきわめて難しい」と述べています。ところでオールコックが日本のことを記した『大君の都』(初版本・天理図書館蔵)も本展覧会で展示いたします。
畳の生活を見てシュリーマンは「(ヨーロッパの)寝室を満たしている豪華な家具調度など、ちっとも必要でないし、それらが便利だと思うのはただ慣れ親しんでいるからにすぎない」とも述べています。この時代で欧米至上主義が見られないのは驚嘆に値します。

【シュリーマン展ブログ08】

考古美術室 T 

ページの先頭へ