天理参考館
TENRI SANKOKAN MUSEUM

参考館セレクション

世界の生活文化奈良鉄道案内略記(ならてつどうあんないりゃくき)

奈良鉄道案内略記

奈良鉄道案内略記

奈良鉄道案内略記

奈良鉄道案内略記

地域:京都、奈良 1903年(明治36)
縦27.0cm 奈良鉄道
資料番号:

展示中 2-13

JR奈良線の前身は奈良鉄道で、今から120年前の明治29年(1896)4月18日に京都奈良間の営業を開始しました。その後、奈良鉄道は同38年に関西鉄道に譲渡され、その関西鉄道も鉄道国有法によって同40年に国有化され、同路線は国鉄奈良線となりました。
昭和3年(1928)に奈良電気鉄道が京都奈良間(現近鉄京都線)の運行を開始すると、利便性に劣る国鉄奈良線は営業成績が低下しました。同59年(1984)にようやく電化され、同62年国鉄の分割民営化後、「アーバンネットワーク」としてJR西日本は地元自治体と協力して複線化や駅施設の改良など積極的なテコ入れを行い、今日に至っています。
本資料は、下部に記載があるように、明治36年3月から7月にかけて大阪市天王寺で開催された「第5回内国勧業博覧会」にあわせて発行された沿線案内図です。最後にして最大規模となった第5回内国勧業博覧会では、将来の万国博覧会開催を見据え、海外資料を展示する「参考館」も設置されました。
左上から中央にかけて京都奈良間を、そして中央部分に明治32(1899)年に開業した奈良桜井間の路線図を載せるとともに、博覧会場へと接続する関西鉄道(現JR関西本線等)の路線を細く示しています。
路線図の上下に各駅付近の名所旧跡への距離や簡単な説明を記載し、奈良鉄道沿線でも目玉である七条(京都)では最もスペースを割いています。その他でも宇治、奈良、帯解、丹波市(天理)、三輪、桜井など主要駅では詳しく記載し、鉄道の利用を促していたことが分かります。