天理参考館
TENRI SANKOKAN MUSEUM

参考館セレクション

世界の生活文化通徳利(かよいとっくり)

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地域:千葉県など(前列左/収集地)
江戸時代末期から昭和初期
高26.3cm(前列左) 施釉陶器
資料番号:20093(前列左)

展示中 2-12

通い徳利とは、酒を日常的に飲むようになった江戸時代から、酒屋の貸し出し容器として普及します。造り酒屋から出荷された酒が、問屋を通じて各酒屋に送られ、それを各人がこの通い徳利を持って買いに行くという仕組みです。器体には、貸し出し主である酒屋の屋号・地名・商標などが書かれています。通い徳利は、主に東日本では美濃高田焼が、西日本では立杭焼(たちくいやき)、有田焼が流布していました。このように、灰色がかった白色やクリーム色で、太く短い首と筒型の胴部をしたものが美濃高田窯の高田徳利です。この地の粘土は良質で、掘り出してすぐ練って成形することができるため、価格を抑えての商品化が可能でした。しかし関東大震災を境にガラス瓶に取って代わられ姿を消してしまいます。