天理参考館
TENRI SANKOKAN MUSEUM

参考館セレクション

世界の考古美術獣頭形角杯(じゅうとうけいかくはい)

獣頭形角杯

獣頭形角杯

イラン西北部 前9~前8世紀頃
長22.1cm 青銅
資料番号:資料番号:068-89

展示中 1-0

先端部をガゼル羚羊(れいよう)の頭部にかたどっている角杯で、リュトンに似ていますが流出孔はありません。鋳造によるもので、頭部が極端に重いです。この角杯の最も特徴的な個所は角部です。青銅の細い針金をコイル状に左回りに巻き上げて角を表現しているのです。
アッシリアのレリーフに、4人の人物が向かい合って乾杯する様子が描かれたものがあります。手にしているのは先端部を獅子頭部にかたどった角杯です。本例も同様に、なんらかの宴会に用いられた飲用器でしょう。