特別展・企画展

スポット展示「五月人形飾り」


 「端午の節句」は、病気や災厄を除く行事として始まりました。薬効の強い菖蒲を飾るなど延命を祈願する日でもあります。元々は五月初めの午の日でしたが、次第に五月五日に定着していきます。家の跡取りである男児が健やかに成長しますようにと願いを込めて、江戸時代になると武者人形を飾るようになります。
京都では武者人形を、親しみを込めて「大将さん」と呼びます。今回展示する五月人形飾りは、応神天皇と忠臣かつ長寿で縁起が良いとされる武内宿禰に、家来が脇に控え、白馬が従い、菖蒲や粽が彩りを添えます。さらに関西の飾り方の特徴として虎の人形が加わります。一方関東ではこのころ「鍾馗」が人気です。関西と関東で人形に対する好みも違いますね。応神天皇と武内宿禰なのに、近世の鎧着用で、足軽が旗を持って控えている?と疑問を持たれるかもしれませんが、節句人形に時代考証は厳密でなく、このようなかたちが一般的です。兜をかぶらない、色白で典雅な柔らかい関西風の五月人形をどうぞお楽しみください。
前に並んでいるのは台人形で、歴史上の人物の勇壮な一場面を人形で表現しています。台人形は、親戚や知人が節句のお祝いに贈りました。

 ◆会期:2014(平成26)年4月16日(水)~5月19日(月)
 ◆会場:2階展示室 むかしの道具エリア 日本民家ステージ内

 

1922(大正11)年 京都 人形 全高42.0cm

1922(大正11)年 京都 人形 全高42.0cm

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