ブログ布留川のほとりから

冑の修復が完了し、展示が復活しました

2017年03月17日 (金)

展示の様子

展示の様子

冑の内側(撮影:元興寺文化財研究所)

冑の内側(撮影:元興寺文化財研究所)

3階日本考古展示室に、古墳時代の鉄製冑(京都府城陽市 久津川車塚古墳出土)を展示しました。

古墳時代には鉄製の冑や甲が発達を遂げて、次々に新しい型式の冑が生み出されました。その流れは、頑丈さを高めることと、鉄板の形を工夫して少ない枚数の鉄板で組み上げることを目指したものでした。この冑は、頑丈ではあるけれども鉄板の枚数はまだ少なくなっていないという段階のもので、同じ型式の冑は国内で数例しかない、貴重な資料です。

2001年11月に当館が現在の場所で開館して以来、常設展示してきましたが、保存状態がよくなかったため、公益財団法人 朝日新聞文化財団から保存処理と修復のための助成金を得て、昨年4月から、公益財団法人 元興寺文化財研究所において保存、修復作業を行っていました。

作業の内容は、まずエックス線撮影を行って錆の進行状況を把握しながら、表面についた土や砂、錆を除去したのちに、錆止めの処置を行いました。次に全体を樹脂で強化して、剥離や亀裂の部分は接着剤で補填しました。さらに、冑の形に合わせた専用の台をシリコンであつらえました。

当館が所蔵している日本考古資料のなかで最も移動しがたい状態であった冑が、丈夫になり、錆が進行する心配もなくなり、専用の台で安定した状態で展示できるようになったことをとても嬉しく思っています。
ほぼ1年ぶりに復活した古代の遺産をどうぞ見学にお越し下さい。

考古美術室 F 

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